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 送風機豆知識

送風機の性能と温度の関係

送風機の常用項目

0.4

ー2

0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 1.6 1.7

1.75

240

1.8 1.9 2.0 2.1 2.2 2.3 2.4 2.5 2.6







T

0

(℃)

定数 K

例)P

X

=P

0

×K

40

38

36

34

32

30

28

26

24

22

20

18

16

14

12

10

80

60

40

20

ー2

0℃

0℃

送風機が吸い込んで吐き出す気体は、絶対温度に比例し
てぼう張するので、容積が2倍になれば圧力が

1

2

になり

ます。もちろん温度が下がれば、容積が小さくなり圧力
は容積が小さくなった割合だけ大きくなります。本カタ
ログに書かれている性能は、20℃のときを基準にしてい
ます。
同一送風機の仕様点は、取扱い気体の温度が変わ
ると次式によって変化します。

■送風機の風量

送風機が吸い込んで吐き出す空気の量をいい、送風機の
吐出側で使用する場合でも、送風機の吸込口における風
量をいい、つねに吸込状態に換算したものをいいます。
取扱う単位は、ふつう立方米(m

3

)で表す場合がほとんど

ですが、風量は、その量をどのぐらいの時間で送りだす
かという時間の単位が必要で、1分間で表すときm

3

/min(1

時間の単位で表すときm

3

/hr)で表します。吸込状態の標

準空気は、温度20℃、絶対圧力101.34kPa、関係湿度65
%で単位体積重量は1.2kg/m

3

として取扱います。また、

基準空気と表現する場合は、温度0℃の状態における空
気で取扱う場合をいい、Nm

3

で表します。

■空気の圧力

(静圧、動圧、全圧)

静圧は、気体の流れに平行な物体の表面に気体が及ぼす
圧力で空気をある場所からある場所へ送る場合、パイプ
内を通過するときに出会う抵抗で、ちょうど、はち切れ
そうにふくれたゴムまりのように四方八方に均等に働く
圧力のことをいいます。
動圧は、パイプ内を流れる空気の速度に対する圧力をいい、
速度に関係することから速度圧とも呼ばれています。動
圧の測定は、ピトー管という器具を用いて行います。また、
動圧はつぎの計算式により求められます。

送風機の全圧は、送風機によって与えられた全圧の増加
量で、送風機の吐出口と吸込口とにおける全圧の差をい
いますが、送風機から吐出す風圧の全てで、送風機の全
エネルギーということができます。

■軸動力と効率

送風機を回転させるためには、必ずモータやエンジンな
どが要りますが、このモータなどの容量をきめるのが軸
動力です。軸動力は、送風機を運転するのに必要な実質
入力のことで、キロワット(kW)で表わしBkWで表示し
ています。これに対し理論空気動力という要素があり、
軸動力に対する気体に有効に与えられたエネルギーの割
合を効率といいますが、風量と風圧より求められるもの
で次式で示されます。

風圧が静圧のときは静圧効率といい、全圧のとき全圧効
率といいます。

■送風機の回転数と性能の関係

一般に送風機の回転数の増減により、性能は変化します
がその関係はつぎのとおりです。

送風機を据付けた後、所要風力の不足により送風機回転
数を上げて風量アップを計る場合、上式でわかるように、
軸動力が回転数比の3乗に比例して増加するため、取付モー
タの容量不足となり焼損原因となることもあるので注意
が必要です。また、騒音や送風機寿命などにも配慮が必
要です。

● 

使用例

取扱ガス240℃を20℃に換算す
る場合、グラフよりKの値は1.7

いま、静圧1kPaをat240℃とす
るとき20℃に換算するとP

0

×K

より1×1.7

5kPaとなり、カタロ

グの性能曲線図の1.7

5kPaの点を

求めます。

■温度による降下率定数表

動圧 Pd=  ・γ

〔Pa〕

V

2

2

V=風速 m/sec
γ=気体の密度 kg/m

3

風 量  Q

2

=不変(m

3

/min)

静 圧

軸動力

 P

1

:気体温度t

℃のときの仕様点静圧

 P

2

:気体温度t

℃のときの仕様点静圧

 L

1

:気体温度t

℃のときの仕様点軸動力

 L

2

:気体温度t

℃のときの仕様点軸動力

P

2

=P

1

×    (kPa)

3+t

1

3+t

L

2

=L

1

×    (kW)

3+t

1

3+t

風 量 × 静 圧

0× 軸動力

(kW)

(m

3

/min)  (kPa)

送風機の効率=         ×1

(%)

圧力比1.03以下
の送風機の場合

(1)風 量  Q

2

=Q

1

×  (m

3

/min)

N

2

N

1

(2)静 圧  P

2

=P

1

×   (kPa)

N

2

N

1

(3)軸動力  L

2

=L

1

×   (kW)

N

2

N

1

2

3