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ベルトの損傷原因とその対策

損 傷

原 因

対 策

ベルトの切断

1.オーバーロード
2.機械のアクシデントによるオーバーロード
3.過大なショックロード
4.プーリ径が小さい
5.ベルトの折り曲げ
6.フランジへの乗り上げ
7.異物のかみ込み
8.心線の腐食による強度低下(スチール心線)

設計変更する(ベルトのサイズアップ)
アクシデントの再発を防止する
設計変更またはショックロードの除去、トルクリミッターの設置
設計変更する(プーリ径を大きくする)
取扱いを注意する
アライメントの再調整、フランジ形状の見直し
環境の改善または防護カバーの設置
環境の改善またはステンレス心線、アラミッド心線への変更

ベルト側面の摩耗

1.プーリアライメントの不良
2.軸および軸受部の剛性不足によるプーリアライメントの不良
3.プーリフランジの曲がり、形状不良
4.プーリフランジの表面粗さが粗い、傷がついている。
5.プーリフランジの摩擦係数が高い
6.ガイドレール等との干渉

アライメントを再調整する

 

軸荷重に注意し仕様変更する

 

プーリフランジの曲がりを修正する。新しいフランジと取り替える。

  

※1

適正なフランジに取り替える
適正なフランジに取り替える

 

ガイドレール等と干渉しないようにする

 

ベルト歯部(歯全体)の摩耗

1.オーバーロード
2.ベルトの張りすぎ(過張力)
3.摩耗性粉塵が多い環境
4.ベルトの緩みすぎ(プーリとのかみ合い不良)
5.ガイドレールとの摩擦
6.高温環境下やプーリの発熱が大きい状態での走行
7.プーリ外径異常
8.プーリ歯形状の不良
9.プーリの傷、腐食

10

.プーリ表面粗さ不良

設計変更する(ベルトのサイズアップ)

 

張力を適正にする

 

環境の改善または防護カバーの設置

 

張力を適正にする

 

摩擦の軽減(歯面布張りベルトへの交換等) 

 

※2

環境温度を下げる、プーリの発熱を抑える

 

 

正規のプーリに取り替える

 

正規のプーリに取り替える

 

新しいプーリに取り替える

 

⎪ 

正規のプーリに取り替える

 

ベルト歯底部の摩耗

1.ベルトの張りすぎ(過張力)
2.プーリ外径異常
3.プーリ歯形状の不良
4.プーリ表面粗さ不良

張力を適正にする
正規のプーリに取り替える
正規のプーリに取り替える
正規のプーリに取り替える

ベルト歯先部の摩耗

1.ベルトの張りすぎ(過張力)
2.ガイドレール等の表面粗さが粗い、傷がついている、摩擦係数が高い
3.ガイドレール等との干渉
4.プーリ表面粗さ不良

張力を適正にする
適切なガイドレール等へ取り替える
ガイドレール等と干渉しないようにする
正規のプーリに取り替える

ベルト歯元ゴムのクラック

1.オーバーロード
2.過大なショックロード(アクシデントを含む)
3.かみ合い歯数不足
4.過張力
5.背面アイドラが小さい

設計変更する(ベルトのサイズアップ)
設計変更またはショックロードの除去
プーリ歯数を多くするか、アイドラによりかみ合い歯数を多くする
張力を適正にする
設計変更する(背面アイドラ径を大きくする)

心線の部分的切断

1.異物のかみ込み
2.ベルト取付時のスパナ等によるこじ入れ
3.部分的なベルトの折り曲げ
4.プーリアライメント不良による側面からの疲労
5.プーリ径が小さい
6.心線腐食による強度低下

環境の改善または防護カバーの設置
取付時の取扱いを注意する
取扱いを注意する(取扱い、保管時に無理な折り曲げをしない)
アライメントを再調整する
設計変更する(プーリ径を大きくする)
心線材質変更、環境の改善、防護カバーの設置

ベルトの歯飛び

1.オーバーロード(ショックを伴うオーバーロード)
2.機械のアクシデントによるオーバーロード
3.過大なショックロード
4.かみ合い歯数不足
5.取付張力不足
6.軸および軸受部の剛性不足によるプーリアライメントの不良
7.プーリ径が小さい
8.起動、停止時の慣性力が考慮されていない
9.プーリ外径異常

10

.プーリ歯形状の不良

11

.プーリ表面粗さ不良

設計変更する(ベルトのサイズアップ)
アクシデントの再発を防止する
設計変更またはショックロードの除去
プーリ歯数を多くするか、アイドラによりかみ合い歯数を多くする
張力を適正にする
軸荷重に注意し仕様変更する
設計変更する(プーリ径を大きくする)
設計変更する
正規のプーリに取り替える
正規のプーリに取り替える
正規のプーリに取り替える

ベルトの縦裂き

1.ベルトがプーリより、はみ出して走行
2.プーリフランジへの乗り上げ
3.ベルト取付時の

 

こじ入れ(無理にフランジを乗り越えさせた等)

4.不適切(過度)なフランジ配置

アライメントを再調整する
アライメントの再調整、フランジ形状の見直し
取付時の取扱いを注意する
適切なフランジ配置にする

ベルト背面ゴムの摩耗

1.背面ゴムに接触するプーリのアライメント不良
2.機械のフレーム等の物体との接触

アライメントを再調整する
接触する物体を除去する

ベルト背面ゴムのクラック

1.プーリ径が小さい
2.低温下での走行
3.機械のフレーム等の物体との接触
4.付着物や環境によるゴムの劣化

設計変更する(プーリ径を大きくする)
環境温度を上げる
接触する物体を除去する
環境の改善、、防護カバーの設置

ベルトの伸び

1.オーバーロード
2.過大なショックロード(アクシデントを含む)
3.ベルトの張りすぎ(過張力)
4.フランジへの乗り上げ
5.油などによる本体ゴム部の膨潤

設計変更する(ベルトのサイズアップ)
設計変更またはショックロードの除去
張力を適正にする

 

上記

 

※1

油の変更、ベルト仕様の変更

ベルトが伸びたように見える

1.軸間距離が短くなった
2.テンションプーリの緩み
3.プーリ外径の摩耗
4.ベルトの摩耗
5.軸固定部の緩み

正規の軸間距離に修正する
取付方法を改善する
環境の改善、耐摩耗対策を実施する

 

上記

 

※2

軸固定部の緩み除去、固定部の強化

プーリ歯の摩耗

1.オーバーロード
2.ベルトの張りすぎ(過張力)
3.プーリ材質が不適当(軟らかい)
4.摩耗性粉塵が多い環境

設計変更する(ベルトのサイズアップ)
張力を適正にする
材料を硬い物に変更、表面硬化処理
環境の改善または防護カバーの設置

異常騒音

1.オーバーロード
2.ベルトの張りすぎ(過張力)
3.プーリアライメントの不良
4.プーリ外径異常
5.プーリ歯形状の不良
6.プーリ径に比べ、ベルト幅が広い
7.プーリとベルトとの打撃音
8.プーリフランジとの干渉
9.異物かみ込みと汚れの付着

10

.ベルトとプーリ間の摩擦大

11

.ベルト速度が速い

12

.共振動

設計変更する(ベルトのサイズアップ)
張力を適正にする
アライメントを再調整する
正規のプーリに取り替える
正規のプーリに取り替える
設計変更する
歯面布張りベルトに替える

 

上記

 

※1

環境の改善または防護カバーの設置
張力を適正にする、歯面布張りベルトに替える、潤滑剤塗布
ベルト速度を遅くする、歯面布張りベルトに替える、潤滑剤塗布
張力・速度の変更

プロフィルのはがれ、損傷

1.プロフィルの厚さが厚い
2.プロフィルに繰り返し荷重がかかる
3.機械のフレームや、外部の物体との接触(干渉)
4.プーリ部での振動
5.低温下での走行
6.インサート金具に過大な負荷がかかる

プロフィル厚さを薄くするか、プーリ歯数を多くする
設計変更する、構造の見直し
接触する物体を除去する
使用条件・方法の見直し
環境温度を上げる
過大な応力の緩和、プロフィル形状の見直し