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電
磁
ク
ラ
ッ
チ
・
ブ
レ
ー
キ
電
源
装
置
■
サージ電圧と放電素子
●サージ電圧とは
●放電素子の種類
電磁クラッチ・ブレーキの電磁コイルに電流を流すと、コイルは
励磁され、クラッチ・ブレーキとして必要な吸引力が発生し、仕事
をします。
規定の電流値まで上昇したコイル内にはエネルギーが蓄積され、そ
のエネルギー量はサイズが大きくなればなるほど大きくなります。
この時、電流を遮断すると蓄積されたエネルギーの分だけのサージ
電圧が発生します。これは、電磁クラッチ・ブレーキが誘導負荷で
あるため、電流を流し続けようとする働きにより発生するものです。
サージ電圧は、前述の通りサイズが大きいほど高くなり、1000Vを
ゆうに超える電圧が制御接点と電磁コイル内部に発生します。
この現象は、接点の焼損や電磁コイルの絶縁破壊の原因となります。
よって、このサージ電圧を放電素子を用いて適当な値に制限するこ
とが非常に重要になります。
一般的にサージの制限電圧が高いとアーマチュアの釈放時間は速く、
逆に制限電圧が低いと遅くなる傾向があり、保護素子の選定には、
機械の仕様や電源装置・制御回路の条件等を加味して設定すること
が非常に重要です。
●バリスタの役割
弊社では、放電素子にバリスタを推奨しています。
理由は、バリスタが電磁クラッチ・ブレーキの制御を適正に行なう
上で必要な、制限電圧の設定が容易で、素子の大きさが非常に小さ
く、サージエネルギーの大小にも充分に対応できるからです。
適正なバリスタを選定する事で、電磁クラッチ・ブレーキは、本来
の特性を損なうことなく使用することが可能になります。
選定を適正な制限電圧よりも高い方に間違えてしまった場合、制御
接点の焼損が発生したり、電源装置が破損に至る原因となってしま
います。
逆に、制限電圧を低い方に間違えてしまうと、電源電圧によりバリ
スタが焼損したり、電源装置を破損させてしまう事にもなります。
また、このような現象が起きなかった場合でも、アーマチュアの釈
放時間が遅くなるといった現象が起こり易くなります。
類
素子の種
回路図
電流減衰
特性
電源装置
ブレーキ
クラッチ・
推奨品
モデル
電圧仕様
定格電圧
サイズ
バリスタ
がありません
ア釈放時間の遅れ
きく、アーマチュ
く抑える効果が大
サージ電圧を小さ
BE
DC24V
DC24V
#16
|
#01
(NVD14SCD082またはTNR14V820K)
NVD07SCD082またはTNR7V820K
DC24V
DC24V
#20以上 NVD14SCD082またはTNR14V820K
BEM
BEW
AC100V−半波
DC45V
#25
|
#01
(NVD07SCD220またはTNR7V221K)
NVD07SCD470またはTNR7V471K
AC100V−全波
DC90V
AC200V−半波
DC90V
NVD07SCD470またはTNR7V471K
AC200V−全波
DC180V
AC400V−半波
DC180V
NVD14SCD820またはTNR14V821K
ダイオード
+
抵抗
必要です。
度の使用は注意が
くなるので、高頻
釈放時間が多少遅
す。アーマチュア
量も小さく出来ま
ができ、抵抗の容
を小さくすること
電源部の消費電力
BE
DC24V
DC24V
#25
|
#01
・コイル抵抗の約10倍
□抵抗
・励磁電流以上の仕様
□ダイオードの定格電流
・AC200V: 800V以上
・AC100V: 400V以上
・DC24V : 100V以上
□ダイオードの定格電圧
BEM
BEW
AC100V−半波
DC45V
AC100V−全波
DC90V
AC200V−半波
DC90V
AC200V−全波
DC180V
ダイオード
が必要です。
の喧嘩現象に注意
クラッチ・ブレーキ
。高頻度の仕様や
端に遅くなります
ュア釈放時間が極
い反面、アーマチ
る効果は非常に高
サージ電圧を抑え
BE
DC24V
DC24V
#25
|
#01
・励磁電流以上の仕様
□ダイオードの定格電流
・AC200V: 800V以上
・AC100V: 400V以上
・DC24V : 100V以上
□ダイオードの定格電圧
BEM
BEW
AC100V−半波
DC45V
AC100V−全波
DC90V
AC200V−半波
DC90V
AC200V−全波
DC180V
コンデンサ
+
抵抗
す。
り、大型になりま
使用する必要があ
圧のコンデンサを
なりますが、高耐
時間は非常に速く
アーマチュア釈放
BE
DC24V
DC24V
#25
|
#01
コンデンサC[
μ
F]:接点電流との比が
抵抗R(Ω)
:接点電流との比が、
容量:1[W]
耐圧:600[V]
=
BEM
BEW
AC100V−半波
DC45V
AC100V−全波
DC90V
AC200V−半波
DC90V
AC200V−全波
DC180V
C[
μ
F]
1[A]
0.5∼1
1
R[Ω]
E[V]
= 1
MC
+
−
VR
C/B
I
t
I
t
I
t
MC
+
−
D
C/B
I
t
MC
+
−
R
D
C/B
MC
+
−
C
C/B
R
※保護素子メーカー NVD□はKOA製、TNR□は日本ケミコン(マルコン)製。
※(
)内は、使用可能品です。
※電源装置及び、対応クラッチ・ブレーキの詳細は各頁をご参照ください。
※電源装置 BES/BEH/BEJ には保護素子を使用することができませんのでご注意ください。