ホーム
background image

176

サージ電圧と放電素子

●サージ電圧とは

●放電素子の種類

電磁クラッチ・ブレーキの電磁コイルに電流を流すと、コイルは
励磁され、クラッチ・ブレーキとして必要な吸引力が発生し、仕事
をします。
規定の電流値まで上昇したコイル内にはエネルギーが蓄積され、そ
のエネルギー量はサイズが大きくなればなるほど大きくなります。
この時、電流を遮断すると蓄積されたエネルギーの分だけのサージ
電圧が発生します。これは、電磁クラッチ・ブレーキが誘導負荷で
あるため、電流を流し続けようとする働きにより発生するものです。
サージ電圧は、前述の通りサイズが大きいほど高くなり、1000Vを
ゆうに超える電圧が制御接点と電磁コイル内部に発生します。
この現象は、接点の焼損や電磁コイルの絶縁破壊の原因となります。
よって、このサージ電圧を放電素子を用いて適当な値に制限するこ
とが非常に重要になります。
一般的にサージの制限電圧が高いとアーマチュアの釈放時間は速く、
逆に制限電圧が低いと遅くなる傾向があり、保護素子の選定には、
機械の仕様や電源装置・制御回路の条件等を加味して設定すること
が非常に重要です。

●バリスタの役割

弊社では、放電素子にバリスタを推奨しています。
理由は、バリスタが電磁クラッチ・ブレーキの制御を適正に行なう
上で必要な、制限電圧の設定が容易で、素子の大きさが非常に小さ
く、サージエネルギーの大小にも充分に対応できるからです。
適正なバリスタを選定する事で、電磁クラッチ・ブレーキは、本来
の特性を損なうことなく使用することが可能になります。
選定を適正な制限電圧よりも高い方に間違えてしまった場合、制御
接点の焼損が発生したり、電源装置が破損に至る原因となってしま
います。
逆に、制限電圧を低い方に間違えてしまうと、電源電圧によりバリ
スタが焼損したり、電源装置を破損させてしまう事にもなります。
また、このような現象が起きなかった場合でも、アーマチュアの釈
放時間が遅くなるといった現象が起こり易くなります。

素子の種

回路図

電流減衰

特性

電源装置

ブレーキ

クラッチ・

推奨品

モデル

電圧仕様

定格電圧

サイズ

バリスタ

がありません

ア釈放時間の遅れ

きく、アーマチュ

く抑える効果が大

サージ電圧を小さ

BE

DC24V

DC24V

#16

#01

(NVD14SCD082またはTNR14V820K)

NVD07SCD082またはTNR7V820K

DC24V

DC24V

#20以上 NVD14SCD082またはTNR14V820K

BEM

BEW

AC100V−半波

DC45V

#25

#01

(NVD07SCD220またはTNR7V221K)

NVD07SCD470またはTNR7V471K

AC100V−全波

DC90V

AC200V−半波

DC90V

NVD07SCD470またはTNR7V471K

AC200V−全波

DC180V

AC400V−半波

DC180V

NVD14SCD820またはTNR14V821K

ダイオード

抵抗

必要です。

度の使用は注意が

くなるので、高頻

釈放時間が多少遅

す。アーマチュア

量も小さく出来ま

ができ、抵抗の容

を小さくすること

電源部の消費電力

BE

DC24V

DC24V

#25

#01

・コイル抵抗の約10倍

□抵抗

・励磁電流以上の仕様

□ダイオードの定格電流

・AC200V: 800V以上

・AC100V: 400V以上

・DC24V : 100V以上

□ダイオードの定格電圧

BEM

BEW

AC100V−半波

DC45V

AC100V−全波

DC90V

AC200V−半波

DC90V

AC200V−全波

DC180V

ダイオード

が必要です。

の喧嘩現象に注意

クラッチ・ブレーキ

。高頻度の仕様や

端に遅くなります

ュア釈放時間が極

い反面、アーマチ

る効果は非常に高

サージ電圧を抑え

BE

DC24V

DC24V

#25

#01

・励磁電流以上の仕様

□ダイオードの定格電流

・AC200V: 800V以上

・AC100V: 400V以上

・DC24V : 100V以上

□ダイオードの定格電圧

BEM

BEW

AC100V−半波

DC45V

AC100V−全波

DC90V

AC200V−半波

DC90V

AC200V−全波

DC180V

コンデンサ

抵抗

す。

り、大型になりま

使用する必要があ

圧のコンデンサを

なりますが、高耐

時間は非常に速く

アーマチュア釈放

BE

DC24V

DC24V

#25

#01

コンデンサC[

μ

F]:接点電流との比が

抵抗R(Ω)

:接点電流との比が、

容量:1[W]

耐圧:600[V]

=

BEM

BEW

AC100V−半波

DC45V

AC100V−全波

DC90V

AC200V−半波

DC90V

AC200V−全波

DC180V

C[

μ

F]

1[A]

0.5∼1

1

R[Ω]

E[V]

= 1

MC

VR

C/B

I

t

I

t

I

t

MC

D

C/B

I

t

MC

R

D

C/B

MC

C

C/B

R

※保護素子メーカー NVD□はKOA製、TNR□は日本ケミコン(マルコン)製。
※(

)内は、使用可能品です。

※電源装置及び、対応クラッチ・ブレーキの詳細は各頁をご参照ください。
※電源装置 BES/BEH/BEJ には保護素子を使用することができませんのでご注意ください。