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パウダ式とヒステリシス式
パウダクラッチ・ブレーキと
摩擦板式クラッチ・ブレーキ
電磁コイルへの
給電方式による比較
パウダ式
ヒステリシス式
パウダクラッチ・ブレーキ
摩擦板式クラッチ・ブレーキ
コイル静止形クラッチ・ブレーキ
コイル回転形クラッチ・ブレーキ
選定する場合、各機種の動作原理・性能・特長を十分理解し、最適の機種・形名
を選定する必要があります。
まず、目的にあう電磁クラッチ・ブレーキの機種選定を行います。
参考にクラッチ機能と主要各電磁クラッチ・ブレーキの対応表を左記に示します。
左記によりパウダ式、ヒステリシス式のどれがよいか判明しますと、つぎに使用状況
(油中か大気中か)、使用環境・負荷条件・使用頻度等から適正な形名の選定を
行います。これらの計算方法は、各機種毎の「選定および選定例」を参照願います。
機能
動作原理
○
○
○
○
△
△
○
×
◎
◎
◎
◎
パウダ式
ヒステリシス式
○
○
○
○
△
△
○
×
◎
◎
◎
◎
◎ 非常に適している ○ 適している △ あまり適していない × 適していない
●左図はパウダブレーキを用いた巻出し機構を示します。
●巻出し張力=制動トルク/巻出し半径の関係より巻径の減少に伴って制動トルクを減らせば一定の
張力が得られます。
●必要に応じて巻枠軸とパウダブレーキ間にギヤ等の増・減速機が設けられます。
■巻出し制御
●左図はサーボモータを用いた2軸切換え巻取り制御機構を示します。
●本例では張力検出器の信号に応じた張力フィードバック制御が行われ、自動継紙のためのプリドラ
イブ制御も行われます。
■巻取り制御
●左図はパウダクラッチ・ブレーキを用いたインフィード制御機構を示します。
主軸モータよりも前段にフィードモータがある場合はインフィード、後段にある場合をアウトフィードと
いいます。
■中間軸制御
クラッチ作用
制動用
定位置停止
正逆転
速度変換
インチング
高頻度起動停止
非常ブレーキ
緩衝起動停止
張力制御
トルクリミッタ
動力吸収
やや大、特に軸方向寸法
ボールベアリングなどが付くのでやや複雑
心配なし
制限なし(他で制限を受ける)
簡単
ほとんど不要
外形寸法
構造
給電状況
回転速度
クラッチ箱への組込
保守
小さい
簡単
湿式では給電不良の事故が生じやすい
高速回転では使用できない
ブラシの取付けを要しやや複雑
ブラシの交換を要す
外形寸法
トルク制御
摩擦面のスリップ
連結仕事
取付条件
価格
用途
全体に大きい
容易にできる
連続スリップ可能
大きい
制限あり、例えば斜め・立軸取付は不可能
高価
緩衝起動・張力制御・
トルクリミッタなどに特に適している
小さい
困難
原則として不可能
小さい
ほとんど制限なし
安価
一般的な連結・制動
外形寸法
スリップ回転速度によるトルク変化
熱容量
取付条件
寿命
価格
普通
ほとんどなし
ヒステリシス式より小さい
制限あり、例えば斜め・立軸取付は不可能
メンテナンス必要
安価
大きい
ほとんどなし
大きい
制限なし
長寿命
高価
巻出し・巻取り・中間軸の制御
比 較
選定はどのように行うのか
M
送りモータ
巻出し枠
主軸
パウダブレーキ
フィードロール
クラッチ
送りモータ
張力検出器
主軸
M
M
ブレーキ
送りモータ
巻取りモータ
巻取りモータ
張力検出器
旋回アーム
主軸
SM
SM
M
各種クラッチ・ブレーキの比較